2011年03月20日

ふるさと

数々の情報に惑わされ、不安になったり悲しくなったり憤ったりしていた不安定な一週間が過ぎ、ようやく少しずつ機能すべき所が機能し始めているように思えます。現地で決死の覚悟で動いていらっしゃる方々には本当に頭が下がります(東京消防庁の会見は小気味よくて素晴らしかった!)。私にすぐに出来ることは今のところ募金しかないのですが、長いスパンで何が出来るかゆっくり考えていきたいと思います。(ちなみに日本赤十字社で募金をクレジット決済できます。街頭募金が気恥ずかしい方はぜひ。ボタン一つなので気分的に現金よりも大金をエイヤッと寄付できます。)

先日NHKの番組の中で、福島で被災された方がインタビューで「ここは本当に自然が豊かで美しい“ふるさと”なんです。皆で戻ってきたい。」と仰っていて、ガツンときました。
必ず数十年に一度は大地震が起こるという土地、しかも原発もあり、津波で町は壊滅状態。私は「そこから逃げ出してきて!」と思っていました。でも、住んでいる方々にとっては、かけがえのない、愛する故郷なんですよね。
富山にずっと住み続けている私の母親は、いつも「富山が一番」と言います。ドイツや東京、名古屋にも住んできた私はそんな考え方があまり好きではありませんでした。それでも、DNAの中に故郷は刷り込まれていて、富山での活動を一番に考えて行動している自分がいます。
「ふるさと」というのは、こうも重みのある言葉かと、今強く思います。


さて、この連休は、私のピアノの「ふるさと」である富山県青少年音楽コンクールと富山県新人演奏会が開催されています。
私が小さい頃、初めて出場したコンクール。今でも、当時の先生方(私にとってはすごく怖い先生たちです…笑)がほぼそのまま中心となって開催していらっしゃいます。
久しぶりに拝見するお顔。ああ不義理をしているなぁと思いながら、心が一気にあの頃に戻ります。
私が、音楽が本当の意味で楽しくなり、伝えたい、と、舞台の上で表現することを躊躇しなくなってきたのは、つい最近のことです。それまでは「間違ったら怒られる」「下手だと思われたくない」という気持ちでいっぱいでした。コンクールはその象徴でもありました。当時の審査員の先生方にお会いすると、今でも萎縮してしまいます。(今日、実は私も新人演奏会の伴奏者としてちょっとだけ出演したのですが、久っっしぶりに、どえらい緊張しました…)

それでも、コンクールには出場してよかったと思うことの方が圧倒的に多い。あの頃必死で練習したおかげで今の自分があります。
私は、今、自分の生徒を何人もこのコンクールに出場させています。それは決して、県内の同学年のあの子に勝った負けたと言う事が目的ではない。そんなのは小さなことです、世界にはもっともっと上手な人が山ほどいますから。
その子なりの精一杯をしてほしい。今結果が出なくても、いつかその子の人生において「あの頃あんなに頑張ったんだ」と誇らしく思い出せるように。

頑張れば頑張った分だけ、音楽は近くに来てくれる。
私も…頑張らなくちゃなぁ…!!
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2011年03月16日

非日常の続き

3.11から、まるで日本中で悪い夢でも見ているような日々が続いています。
情報も錯綜し、何を信じていいのやら。

原発のことも改めて調べてみると、今回の件だけではなく、今までも恐ろしい事故は日本でも何度か起きていたようです。自分の無知の能天気さに呆れつつ、今回の福島原発に関してはもっと知識がほしいです。
友人のブログに以下のリンクがあり、正誤のほどは置いておいて、その語り口がわかりやすかったのでご紹介します。
原発がどんなものか知ってほしい

そして、googleの避難所名簿共有サービス、その他地震全般に関するリアルタイムな情報⇒東日本大震災。これは役に立つのではないでしょうか。


また、来週22日(火)に横浜ホテルニューグランドで予定されていた黒川浩・中沖いくこサロンコンサート(入場無料)は、延期となりました。ご了承ください。
コンサートは延期になりましたが、心に音楽がある、打ち込むものがある、というのは自分にとって幸せなことだと改めて感じています。被災地に復興の兆しが見えた頃に、心からの音楽を携えて現地に赴けるように、準備したいと思います。
テレビ局勤務の弟が被災地に赴き、我が家にとっても対岸の火事ではなくなったこの地震災害。でも心配していてもどうにもならない。頑張っている人たちに敬意と感謝を。

あ、たった今、静岡も揺れました。原発、止められないのだろうか…。

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さて、先日ミュージカル「Yes!クリスマス」が、無事上演されました。
何度も投げ出したいと思った苦しい作曲でしたが、終わってみれば「やって良かった!」と言えるから不思議。子供たちのキラキラした顔、元気いっぱいの踊り、精一杯の歌声、それを引き出す指導者の方々や大人の出演者さんたちの努力。どれもこれも一つとして欠けてはならないもの。本当にありがとうございました。
折りしも、父親を亡くした子供たちがその喪失を乗り越えて歌うことで前を向いていく物語。現実の厳しさに比べたらもちろん甘い話ではあるのですが、ストレートな「希望」の物語に、大ホール満員の客席にも何かが届いたようで、ところどころからすすり泣く声が聞こえてきました。
終演後、大学生くらいの男の子がその彼女に向かって「曲が良かった!」と話しているのが聞こえて、密かにニヤニヤしてました。作ったの私だよ!って言いたかったなぁ。嬉しかったなぁ。

ミュージカルというのは、台本からいろいろなもの(感情、間、空気感など)を読み取り、どんな動きも無駄にせず一人一人がその場で重要な役割を担い、助け合い、刺激し合いながら舞台上に立体的に時間を作っていく芸術です。
クラシック演奏者が、楽譜からいろんな事を読み取って、頭の中で音符一つ一つの役割を立体的に判断しつつ、ピアノならば指先で、瞬間を積み重ねていくのと非常によく似ています。
子供一人の空気が変われば皆が変わっていく、何か目に見えない大きな力が感動を呼び起こしていく様子…。とてもいろいろな事を勉強させていただきました。

それにしても…音楽に関しての知識はあれど、いわば作曲の素人である私が、よくもまぁこの3年、ミュージカル3作分も音楽を作ったものです。楽譜を書いて終わりならまだしも、オケ音源作成はパソコン作業。思うようにならず困難でイライラ連続。自分の頭の中で鳴っている音楽がうまく再現できないストレスは、演奏者だからこそかなりのものでした。
自分で納得がいかないことはこれ以上続けられず、またあれもこれもといろいろなことをさせていただくのはありがたいのですが何もかも中途半端になりそうで、作曲は残念ですが今年で最後にさせていただくことにしました。これまでいろいろとご迷惑をおかけしたF田さんM岸さんHさんをはじめとする現場のスタッフの方々、このような貴重な体験をさせていただき本当に充実した3年でした。ありがとうございました!
来年からは他の方がもっと素敵な音楽を作ってくださるはずです。新しいリバーキッズの新しいミュージカルを心から楽しみにしたいと思います。
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子供たちの涙が、いつも「感動」と「喜び」の涙でありますように。

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よく頑張った、泣くな、泣くな。これで終わりじゃないよ。
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2011年03月13日

がんばろう

揺れたと感じた時、一人富山の自宅にいた私は、その後の津波生中継をリアルタイムで見て愕然としていました。
これが本当に今この世で起こっていることかと。
その後、テレビ、twitterなどで状況を追うごとに、一体自分に何が出来るのかといたたまれない気持ちでいました。

「地震とは、非常に《個人的な》体験である。」
そう、阪神大地震を経験した方が書いておられたのを読んだことがあります。
カヤの外にいる私たちが一番よく情報を掴んでいますが、一番大変な被災地には情報は届きにくく、その体験は絶対に私たちには計り知れないほど恐ろしく悲しいもののはず。
出来ることはするが、一緒になって心を落としてはいけない。
募金、節電。そして強く生きる。それが今、私たちに出来ることです。

我が家はNZ地震以来、ずっと暗い気持ちが続いていましたが、twitterに以下を見つけ、励ましあっています。
「【被災されてない方へ】被災地の映像を繰り返し見続けることでPTSDになることもあります。被災されてない方、親類や友人知人の安全を確認できた方は、テレビを切って気持ちを緩めることも大切です。今、何もできないという思いでご自分を責めないで下さい。これから先、できることは必ずあります。」−twitterより

自らの命を投げ打つ覚悟で、原発の処理をしていらっしゃる方々や救助活動をされている方々が多くいらっしゃいます。想像するだけで涙が出ます。本当にありがとうございます。
頑張ろう、日本。人間は、強く、生きる力に溢れています。
←地震前に出来ていた九州新幹線全線開通のCMです。なんだか希望をもらいました。


さて、私が作曲をしたミュージカルが、砺波文化会館で本日午後から上演されます。
昨日、リハーサルを見に行きました。
正直「ミュージカルをやってる場合じゃないのでは…」と思ったことも否定できません。でも、熱心な練習風景、子供たちの力いっぱいの踊りと歌を見ていると、涙が出てきました。
ああ、この子供たちが、これからの日本の希望だと。
こんな時なのに、ではなく、こんな時だからこそ、上演すべきだと思いました。

もちろん、音楽は衣食住ほど差し迫ったものではない。けれど、いつかまた被災地に、豊かな音楽が響く事を願っています。
私に今出来る事を、これからミュージカルを精一杯演じる子供たちを見守ることで、一つ果たしてこようと思います。
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2011年03月08日

山室公民館にてコンサート

6日の日曜、地元の山室公民館にて、一時間ちょっとのコンサートをさせていただきました。
楽しかったー!!ご近所からたくさんの方にお越しいただき、皆さんとても間近で温かくニコニコしながら聴いてくださって、演奏もトークもとても和やかな雰囲気で出来ました。
公民館の皆さんにも、本当に良くしていただきました。ありがとうございました!
コンサート写真23 007.jpg
アップライトとは思えないほど、良く鳴るピアノでした!

前半はピアノソロ、後半にはゲストとして富山の若きヴァイオリニスト渋谷優花ちゃんをお迎えしてクライスラーを。
いきいき講座写真23 009.jpg
アンコールは、愛の挨拶と、ウィーン我が夢の街。
ソロも楽しいけど、やっぱりアンサンブルはとっても楽しい!!
優花ちゃんは誠実な音楽作り、その上とても柔軟。ちゃんと音楽で会話が出来て、刺激をいっぱいもらいました。ありがとう!

「いや、良かった!」と感激してしどろもどろになりつつも温かいお人柄溢れる閉会のご挨拶や、手をギュッと握って感動を伝えてくださった方、顔を上気させキラキラな目で元気に「ありがとうございました!」と言ってくれたお子さんたち。
このところ連続して皆さんに本当に心から喜んでいただける演奏会が出来ているように思います。そういう演奏会は自分自身も納得がいくので嬉しい。
プログラミングが親しみやすいのと、トークの慣れ、東京で影響を受けた演奏への姿勢、練習方法、何よりも「芸術に関わっていることに感謝し、芸術を分かち合うつもりで無理せず格好つけず演奏したい」という最近の自分の考え方が、いい影響を与えているのかも。
このまま、積み重ねていきたいです。


IMGP2199.JPGIMGP2198.JPG最近久しぶりに、部屋に溢れるモノ達を整理しました(いわゆる断捨離)。
これまでの演奏会でたくさんいただいた花束の、美しいラッピングペーパーたち。いつか何かに使うかと取ってあったのですが、思い切って甥っ子が通う幼稚園にまとめて差し上げることにしました。子供達の工作に使ってもらえればと…。
見れば見るほど、今まで聴いてくださった方々に感謝の気持ちが湧いてきます。皆さんに育てられてきているんだなぁと実感。心の宝物です。
posted by ikuko at 23:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月03日

NZ地震を経て

長期化の兆しが見えている、NZ地震。
外国語専門学校に勤める父は、ずっと学校に詰めていたのですが最近ようやく短時間ですが時折自宅に戻ることが出来ています。でも、我が家はまだまだあの日の衝撃を引きずったまま。

富山は狭いもので、安否がわからない方々が、知り合いの娘さんだったり、友達の友達だったり…。これだけ多くの方が巻き込まれてしまったので、何かしら繋がりがある人がいて、一層心が痛みます。
しばらくは、心静かに祈るより他ない日々です。


こんな時に何が出来るだろう…と考えた末、先日2月26日の横浜での演奏会では、祈りの気持ちを込めてソロで一曲弾かせていただきました。
ショパンの晩年のノクターン、Op.62-2、E-dur。
「憧れ」を示す6度上行の音型から始まるこのノクターンは、柔らかな憧憬でもあり、思い出でもあり、幸福でもあり、淡い哀しみでもあるように思います。中間部の慟哭、それを経た後の全てを達観するような穏やかな再現部、ふっと我に変えるような転調。
大好きなのが、左手の温かく語りかけるような16分音符の連なり。優しく「いろいろあるけれど強くしなやかに人生を歩みなさい」と言ってくれているようで、必ずここで、なんだかふわっと泣きたくなります。素晴らしい曲です。

横浜・上大岡のヤマハさんは、非常にアットホームな空間で、ピアノも優しい音がして、スタッフの皆さんも細やかな心遣いをしてくださり、すごく心地よかったです。
お越しいただいた方々も皆さんとても真剣に耳を傾けてくださいました。
私も、演奏前に地震の事をお話ししたせいか、とても集中して心を込めて弾くことが出来たように思います。

その後、黒川先生との連弾は、本当に楽しかった!
本番中にもいろいろと発見があって、演奏者としては、お、良いねぇ!という瞬間の連続でした。やはり、共演者がいて、その場の空気を瞬間的に作り上げていくのは面白いものです。
2人してニコニコしながら弾いていたかも。黒川先生のお人柄のおかげでもありますね。
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お世話になったスタッフの皆さん、譜めくりのYちゃんと。ありがとうございました!

今回の演奏会には、このHPを始めた頃からもう何年も応援してくださっている方や、ライプツィヒで一緒に学んだ友人も聴きに来てくれて、なんだか数年ぶりのプチ同窓会みたいな気分でもありました。
だんだん歳を重ねるごとに、こういう嬉しさが増えていきますね。
人ひとりの歴史は、たかだか30年でも重いものです。


地震のことがあって、テレビのニュースを見る目が変わってきています。
当事者にとっては一生続くような事柄でも、ニュースは次から次へと新しい事に移り変わっていく。そうしないと世の中は動かないのだろうけれど、実際はそこから時間が止まっている人というのは、報道されないだけで、とても多いんだろうなぁ。
痛みを抱えて生きていく人間で成り立つ社会というのが、とても哀しく愛しく、家族の絆や報道のあり方など、今回の地震で普段見えないものが見えているこの頃です。
posted by ikuko at 12:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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